アクアリウムを楽しむために水槽を立ち上げたら、いよいよ生体を水槽に投入します。
ここで気をつけて欲しいのが「水質」です!
水中で生きる魚にとって水質は命に関わるものなので単に水道水を入れればいいというものではありません。
アクアリウム用に「水づくり」をまずはしないといけません。
マニュアル通りに水づくりをしたとしても、生体に良い水が出来ているか人間の目で確認するのは難しいです。
そこで、水質が良いか悪いかを判断するのに活躍するのが「パイロットフィッシュ」です。
この記事では
・水槽立ち上げ時の水づくり
・パイロットフィッシュとは?
について紹介します。
まずはどんな生体を飼うか決める
アクアリウムで生体を飼うといっても、生体には過ごしやすい環境がそれぞれ違います。
・水はアルカリ性に近い方がいい
・水は弱酸性がいい
・水温は何度がいいか
など、生体をによって適切な環境は異なります。
まず、飼いたい生体を決めてからどんな水づくりをしたら良いか考えます。
ここでの注意点は色んな種類を混泳させたい場合、アルカリ性を好む生体と弱酸性を好む生体は一緒に飼わないということ。
不可能ではないものの、過ごしやすい環境でない状況での飼育は成長を弱らしてしまい、寿命が短くなってしまうということを把握していて下さい。
水作りの手順
まず水槽に水を入れます。
ほとんどの場合、水道水の水を使用する方が多いでしょう。
水道水には人間が安全に使用出来るためにカルキが入っています。
カルキというのは菌の殺菌などの消毒効果があります。
人間には安全ですが水槽で飼う生体にとっては、カラダ全体で触れる水なので、薬液に常に触れている状態。
すぐ影響が出て死んでしまうということはありませんが、そのまま過ごすには少量の害があるので「カルキ抜き」を使い、水からカルキをなくしましょう。
カルキ抜きは固形のモノと液体のモノが販売していますが、水中内に均等に浸透しやすい液体のモノを勧めます。
次に水槽のに汚れがたまらないようにバクテリアを投入します。
水槽で飼う生体も人間と同じ尿や便を排出します。
排出物はろか装置だけでは取り切れないので、放っておくと水槽に溜まっていきます。
そうなると水が汚れていくので、ろ過バクテリアで処理する必要があります。
ろ過バクテリアはアンモニア(尿や便)がご飯です。
ろ過バクテリアにはいろんな種類が存在します。
中でも重要な仕事をするのが「アンモニアを亜硝酸塩に変える」ろ過バクテリアと、「亜硝酸塩を硝酸塩に変える」ろ過バクテリアです。
生物の排出物である尿や糞は「アンモニア」ろ過バクテリアで毒性があり、これらをバクテリアが分解し、亜硝酸塩にします。
しかし、「亜硝酸塩」も毒性の物質で害があるので、更に「硝酸塩」に分解。
「硝酸塩」も毒性はあるものの極めて少ないので、存在していても生物にさほど影響はでません。
バクテリアの活躍でここまで有害物質を分解する環境をつくります。
この分解する循環環境は自然界のあらゆる場面で行われています。
これを『生物ろ過』といいます。
この仕組みを作るためのアイテムはこちらです。
水づくりをしたらまずはパイロットフィッシュで様子をみよう
ひと通り上記の手順を完了したらいよいよ生体を投入!
という流れにしたいですが、ここはもうひと手間かけ、安全に生体を飼いましょう。
水質が良くなっているかは人間の目では確認出来ません。
アルカリ性に近いのか、酸性に近いのかは水質検査キットでpH(ペーパー)値を確認出来ますが、バクテリアが活動しているか・毒素はないか、などははっきりと確認出来ません。
そこで活躍するのが「パイロットフィッシュ」です。
水槽の水が生体にとって問題ないか?
を確認するために本命の生体を入れる前にパイロットフィッシュで安全か確かめる方法です。
悪い言い方をすれば「実験体」ということになります。
もし水質が悪く生体が住めない環境なら残念ながらパイロットフィッシュは弱ったり最悪死んでしまいます。
しかし実際に飼いたい本命の生体が
・高級な生体だったら?
・販売数が少なく希少だったら?
・好みの色や柄がその個体だけだったら?
そう考えると、飼い始めてすぐに死んでしまっては辛いですよね。
こういったトラブルを回避するためにパイロットフィッシュを導入し、安全な環境かをしっかりと確認することが大切です。
パイロットフィッシュで様子を見る期間は1週間以上を考えて下さい。
変化の確認には時間がかかるので、あらかじめ余裕を持って計画を立てましょう。
パイロットフィッシュに最適な生体
パイロットフィッシュに選ぶ基準は次のような感じです。
・生命力が強い
・水質変化に強い
・価格が安い
水道水を使用する場合そこまで毒素はないのですが、
岩や水草・ソイルからも悪影響の成分が出ている可能性もあります。
特に岩(石)は種類によっては高い値段のものもありますし、わざわざ購入しなくてもそこら辺で拾える!という考えから、山や川からとってきて水槽に使用する方もいるでしょう。
どんな成分が染み込んでいるのか不明なので運が悪ければ水質を一気に悪くする可能性があります。
なので、生命力が強かったり水質変化に強い生体をパイロットフィッシュとして選ぶ必要があります。
パイロットフィッシュの種類
パイロットフィッシュの候補を何種類か紹介します。
個人的には、アカヒレ・ネオンテトラ辺りが価格も安く、またパイロット運転ごの飼育にも邪魔にならないのでおすすめです。
まとめ
アクアリウムは美しく、楽しいです。
しかしそこには「小さな命」があるということをきちんと考えて、責任感を持って飼育しましょう。
大切に生体を育てるため、飼い主が安心安全な環境をしっかり管理し、その生体の寿命いっぱいまで育てて下さい。
それでは楽しいアクアリウムライフをお過ごしください。