投資で積み立てを行う手法で有名な投資方法は、決まった頻度で定額を積み立てていく「ドルコスト平均法」ですよね。
毎回決まった頻度・金額を行うことで、購入価格が平均化され、高値で購入してしまった場合でも保有している全体で見ると購入価格下がっているという、損をしにくい投資法です。
購入頻度や購入金額を決めるだけというシンプルな手法なため、投資初心者の方も簡単に取り入れることが出来ますし、投資ベテランの方も行っている確かな投資方法です。
積み立て=ドルコスト平均法が一般的ですが、今回はもう1つ、積み立ての真骨頂ともいえる手法をお話したいと思います。
積み立てを効率化する手法「マーチンゲール法」
今回お話したい積み立て手法は
「マーチンゲール法」
です。
マーチンゲール法とは、元々カジノの掛けゲームのルーレットを攻略するために考案された手法になります。
ルーレットでの細かい賭け方は話が遠回りになってしまうので、今回は割愛させていただきますが、簡単に説明すると「負ける毎に賭け金を倍にしていく」というルールです。
例:
1ゲーム目=100円賭け → ハズレ
2ゲーム目=200円賭け → ハズレ
3ゲーム目=400円賭け → ハズレ
4ゲーム目=800円賭け → ハズレ
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という感じで負けるたびに次の賭け金を倍々にしていく流れです。
このようにすることで、どんなに負けが続いても1回あたりを引くことで今までの負けが一気に相殺され、利益がでる仕組みになっています。(細かいとこでみるとルーレットでは例外的に負け確定のパターンもあります)
私は以前スマホアプリのカジノゲームにハマっている時期があり、この方法でコツコツ資産(ゲーム内通貨)を増やして遊んでいました。
きちんと手持ち金を把握し、事前に賭ける量を計算することでどこまで負けが続いても大丈夫か?等を管理しやすいので人間誰しもが持っている「欲」に左右されることなく誠実に行動できるメリットがあります。
これって「投資」にも役に立ちそうだな?
私はそう思いました。
投資の失敗の一つに「感情で行動する」があります。
相場が読めないにも関わらず「今から上がりそう」とか「価格が下がってきた!予定じゃなかったけど買っとくべきだ!」みたいな『ただの勘』で行動してしまうと痛い目にあってしまいます。
「これは新たな投資戦略だ!」
と興奮気味に色々調べてみると、すでにマーチンゲール法を使った株取引やFXは存在していました。(ガッカリ)
まぁそうですよね。
投資歴数年の若僧が思い付く戦略なんてとうに先人たちがやっていますよね。
気持ちを切り替えて本題に入っていきたいと思います。
マーチンゲール法のルール
当記事でいうマーチンゲール法を活用した投資方法は「積み立て投資」になります。
ルールはいたってシンプルで
・始めるタイミングの価格から下がったら積み立てる
・タイミングは一定の下がり幅で買う
・決めている購入レートが下がる毎に購入金額を倍にする
これだけです。
ではドルコスト平均法で積み立てた場合とマーチンゲール法で積み立てた場合、どれくらいの差がでるか見ていきましょう。
マーチンゲール法とドルコスト平均法を比較
例として積み立てを始めたタイミングから相場が下がっていった場合、積み立てをしていき相場が回復したらどうなるのか。
※今回は私が最近運用を開始した暗号資産のETH(イーサリアム)で積み立てることとします。
積み立てを開始して4ヶ月が経過しました。
それぞれの積み立て投資はどうなったか見てみましょう。
※積み立て金額が大体一緒になるように例題を組み立ててます
■マーチンゲール法では下がり相場で4回積み立てタイミングがありました。
※積み立てスタート時から2万円単位で下がったら購入
1回目の積み立て=0.01ETH (4800円)
2回目の積み立て=0.02ETH (9200円)
3回目の積み立て=0.04ETH (17600円)
4回目の積み立て=0.08ETH (33600円)
合計投資 : 0.15ETH (65200円)
■ドルコスト平均法は決まった金額を毎月買っていきます
1回目の積み立て=0.04ETH (18400円)
2回目の積み立て=0.04ETH (19200円)
3回目の積み立て=0.04ETH (17600円)
4回目の積み立て=0.04ETH (16800円)
合計投資 : 0.16ETH (72000円)
・マーチンゲール法では0.15ETHを積み立て、日本円で表すと65200円積み立てたことになります。
・ドルコスト平均法では0.16ETHを積み立て、日本円で72000円積み立てました。
ドルコスト平均法の方が少し積み立て資金が多いですが、これで比較しましょう。
次に暗号資産ではあるあるの急騰相場で、一気にETHのレートが600000円まで上昇し相場回復になった場合を見てみましょう。
■マーチンゲール法の含み益は?
1回目積立の含み益=0.01ETH (1200円)
2回目積立の含み益=0.02ETH (2800円)
3回目積立の含み益=0.04ETH (6400円)
4回目積立の含み益=0.08ETH (14400円)
合計含み益 : 0.15ETH (24800円)
■ドルコスト平均法の含み益は?
1回目積立の含み益=0.04ETH (5600円)
2回目積立の含み益=0.04ETH (4800円)
3回目積立の含み益=0.04ETH (6400円)
4回目積立の含み益=0.04ETH (7200円)
合計投資 : 0.16ETH (24000円)
マーチンゲール法の方が800円ほど含み益が多いことが分かりました。
若干の差と思いますが、ちょっと待ってください!
もともとの投資条件でドルコスト平均法の方が0.01ETH分多く積み立てていましたね。日本円での金額でいうと6800円分多く積み立てています。
つまり含み益の差額と積み立て金額の差額で、7600円ほどマーチンゲール法の方が優秀だったということになります。
「安い時に多く買って、高い時に利益を得る」という投資の基本を存分に活かせる方法がマーチンゲール法と言えるでしょう。
マーチンゲール法のデメリット
ドルコスト平均法と比較した一例を紹介し、マーチンゲール法の回収力は分かってもらえたと思います。
しかしデメリットもあるので、そちらも把握しておく必要があります。
■定期的な「期間」で予定を組めない
積み立てといえば定期的な期間で投資商品を購入していくのがメジャーですが、マーチンゲール法での積み立ては「価格」を基準に商品を購入していきます。
一定間隔のレートで購入タイミングを決めるため、相場が購入レートになるのを待つ必要があります。
そのため変動が少なくヨコヨコの期間や下がりきらずに上昇した場合は購入できません。
■下がれば下がるほど資金が多くなる
投資商品の価格がどんどん下がると、購入価格は倍々になるので投資資金が多くなります。
相場が回復した時は多く購入している分、利益も大きくなりますがリーマンショックやコロナショックのような大暴落時にどれだけついていけるかは資金力にかかっています。
まとめ
マーチンゲール法について少しは興味が湧いてきたでしょうか?
マーチンゲール法を活用した積み立てでは多少の条件はあるものの上手く使いこなせばドルコスト平均法より大きな効果が期待できます。
実は私も先日からマーチンゲール法を応用した戦略の投資を開始しました。
近々その新しい投資戦略について記事を公開したいと考えているのでもうしばらくお待ちください。
最後までお読みいただきありがとうございました。