マイホーム(新築)を建てると必然的にセットで設置しないと行けないものが「浄化槽」です。
日常で必ず使う「水(排水)」を浄化する装置のことです。
家庭で出た排水は、そのまま川や海に流しては行けないと国が定めた法律があり、近年新築を建てると必ず浄化槽を敷地内にセットしないといけません。
浄化槽は化学物質等で水を浄化するのではなく、「微生物」の力によって浄化し、環境に悪影響が出ないようにして排水する用になっています。
微生物は生き物なので、なんでもかんでも排水として浄化槽に流していると、機能が低下し、浄化されない状態になったり、メンテナンスの回数が増え費用が多くかかったり、トラブルの原因になってしまいます。
この記事では
・浄化槽の注意点
・浄化槽のQ&A
について紹介していきます。
- 【注意点】調理くずや残飯はキッチリ回収しよう
- 【注意点】調理器具や食器の油汚れは拭き取る
- 【注意点】洗剤の使い過ぎはダメ
- 【注意点】溶けない紙類を流さないで
- 【注意点】送風機の電源を切らないで
- 【アドバイス】お風呂の残り湯は洗濯に再利用すると節水が効果的
- 【Q】保守点検も清掃もしているのに、なぜ検査が必要ですか?
- 【Q】浄化槽から臭いがします
- 【Q】入浴剤は影響がありますか?
- 【Q】浄化槽からハエや蚊が発生しました
- 【Q】糖尿病の方や薬を常用している方がいる浄化槽は処理機能が低下するの?
【注意点】調理くずや残飯はキッチリ回収しよう
調理で出たくずや、残飯の流入は浄化槽にとって大きな負担となります。
配管が詰まったり、水が濁る原因となりますので、できるだけくずは流す前に取り処分しましょう。
【注意点】調理器具や食器の油汚れは拭き取る
油の流入が浄化槽にとって1番の大敵です。
食用油を流さないだけでなく、調理器具や食器についた油汚れも拭き取ってから洗うようにしましょう。
【注意点】洗剤の使い過ぎはダメ
水周りの掃除に酸・アルカリの強い洗剤や塩素系の洗剤を大量に使うのはNGです。
上記の洗剤を大量に使用してしまうと、浄化槽の大切な微生物が死んでしまいますので、注意してください。
【注意点】溶けない紙類を流さないで
新聞紙、水に溶けないティッシュペーパー、紙おむつ、生理用品、タバコの吸い殻などの異物は流さないでください。
配管のつまり、故障の原因になります。
【注意点】送風機の電源を切らないで
浄化槽には送風機が備わっており、大抵の場合家の外部から電源を供給されています。
送風機の電源を切ってしまうと、バクテリアの活動力が低下し、汚水が浄化されず悪臭を発生させる原因となります。
【アドバイス】お風呂の残り湯は洗濯に再利用すると節水が効果的
浄化槽が1日に汚水を浄化できる量は限られています。
節水を心がけて浄化槽に負担をかけないようにしましょう。
なお、トイレの水はきちんと流してください。
【Q】保守点検も清掃もしているのに、なぜ検査が必要ですか?
【A】法定検査に対して最も多い質問は、「定期的に保守点検・清掃をしているのに、なぜその上に法定検査が必要なのか」というものです。
浄化槽を設置するとき、浄化槽設置届が提出されます。
その書類には「この浄化槽から排出する水は、こういう水質の水を流します」という意味のことが書いてあります。
行政としては浄化槽設置後どんな水質の水が流されてのか分からないので、その内容を把握する目的で第三者機関(指定検査機関)が公平中立的な立場で検査し、その結果を管理する行政機関に報告するように浄化槽法で定められました。
これを法定検査と言います。
設置届どおりの水が排出されているかどうかを検査することにより、地域の水環境が守られているのです。
保守点検・清掃は浄化槽の機能を適正に維持するための作業にあたります。
ですから、法定検査と保守点検は趣旨・目的が全く違いますので、年1回の健康診断に当たる法定検査を必ず受検しなければなりません。
※平成18年2月1日施行の浄化槽法改正により、未受検者に対する罰則規則が設けられました。
【Q】浄化槽から臭いがします
【A】使用を開始してから機能が安定するまでの間(2~6ヶ月)臭気がすることがあります。
徐々に微生物が増え、臭気が治まってきますのでしばらく様子を見てください。
機能が正常に働いていても浄化槽特有の汚泥臭がわずかにありますが、ヘドロ臭がする、悪臭がするなどの場合は保守点検業者にご相談ください。
【Q】入浴剤は影響がありますか?
【A】通常の入浴剤でしたら特に影響はないと思われますが、着色した水の色は分解出来ませんので、放流水の透視度が低下する場合があります。
また、イオウ分が入っている入浴剤は避けてください。
【Q】浄化槽からハエや蚊が発生しました
【A】浄化槽内に小さなハエや蚊が発生することもあります。
気になる場合は吊り下げタイプの殺虫剤がありますので、保守点検業者にご相談ください。
薬局等でご自分でも購入出来ますが、印鑑とサインが必要な場合があります。
【Q】糖尿病の方や薬を常用している方がいる浄化槽は処理機能が低下するの?
【A】糖尿病・高血圧症等の薬の常用が浄化槽の機能低下(透視度の低下・BOD超過)の原因になる事例がまれに見られます。
浄化槽のために薬の服用をやめることは出来ませんので、保守点検・清掃の回数を検討するなど対策が必要となる場合があります。